コラム/インタビュー

万博をもっとおもしろく!

第二回

「デザイン」から万博を考える

2019年10月10日(木)、インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターにて第2回ドバイ万博に関するオープンセッションを開催しました。
今回は、『「デザイン」から万博を考える』をテーマに、齋藤精一がファシリテーターとなって、日本館建築設計の永山祐子、日本館アテンダント・ユニフォーム制作デザイナーの森永邦彦、経済産業省 博覧会国際企画調整官の東哲也が議論を展開しました。

まず始めに、ドバイ政府観光局のエドワード トゥリプコヴィッチ片山からドバイ万博について、東からドバイ万博日本館と2025年大阪・関西万博の進捗状況について、森永からアンリアレイジについて、永山から日本館建築の進捗状況について、プレゼンテーションを行いました。

プレゼンテーションの概要

片山

ドバイ万博は、アラブ諸国では初開催となる登録博覧会。192ヵ国が参加を予定しており、2500万人の予想来場者のうち7割は海外からの来場者を想定している。
建築的にレベルが高い万博であり、アル・ワスル・プラザ、UAEパビリオン、テーマ館のうちOpportunityパビリオンとSustainabilityパビリオンは、世界的に有名な建築家によるデザイン。アル・ワスル・プラザがメインのイベント会場で、1万人収容可能。360度プロジェクションマッピングで、中からも外からも同じ映像が見られる。
会場内では、パレードやコンサートなど毎日60個のイベントを行う。

日本館の準備状況について、まず建築の関係では本年8月末に現地で起工式を実施した。
展示は、まだまだこれから検討を進めるが、日本の魅力と、日本が直面する課題を題材に、アイデアの交差を表現したい。また、2025年大阪・関西万博に向けたメッセージの発信を行うコーナーも設ける。
日本館のアテンダントが着るユニフォームは、東レ株式会社の協賛で素材を提供していただき、アンリアレイジ 森永さんにデザインしていただくことで準備が進んでいる。
大阪・関西万博については、当面の大きなミッションは登録申請書という開催計画書を作成すること。開催5年前である2020年5月までに提出しないといけない。年内の提出、来年6月のBIE総会での承認を目指しており、ここで承認されるとドバイ万博の場で大阪・関西万博への参加招請ができるようになる。

森永

これまで、洋服の日常、洋服にとって当たり前とされていることを違う視点から見つめなおすことで、今までにない概念の洋服をデザインしてきた。
まず、洋服の色について、色というもの自体を洋服の中で違うポジションに移そうと考え、太陽の光が当たると全く違う色になる服を作った。この他、室内環境でも色の変化を作るものとして、ライトを当てると全く違う洋服に見えるものも作っている。
また、洋服のサイズについて、洋服は人の体に即して作られるものという概念が歴史上ずっとあるが、全く人の体とは違うものを作って、どれだけの人がいても絶対に似合わないものを洋服にするシリーズも作っている。
今、洋服は持続可能かどうかということが非常に重要になっているので、今の時代に作られたものがその次の時代にどう受け継がれるかということも、万博において新しいビジョンを示すタイミングだと思う。果たしてサステナブルなファッションとは何かということを追求したものを発表したいと思う。

永山

日本館の建築をデザインするにあたって、ドバイ万博の「コネクト」というテーマから何かできないかと考えたとき、アラベスクの文様と日本の伝統的な組子文様が幾何学で似ていると感じ、シルクロードを通じて様々な文化はもともと繋がっていたのではないかと考えた。
組子の文様は二次元的なパターンだが、立体的な構造として発展させていくことで、パースペクティブに文様が変わっていく。また、1つ1つのセルに幕を張っていくことで、日差しを遮るシェードとして、設備システムとしても使える。
全体のイメージとして、小さな幕をまとめていくと折り紙を折ったような多角的な見え方になる。
この他、サステナビリティということも非常に重要なので、機械に頼らず風や水を使いながら、いい空間を作っていく。
今回作るイメージは、硬い建築ではなく、ゆらゆらと揺れるような状態としてある建築。また、正面から見たところと斜めから見たところで全然違う文様が浮かび上がってきたり、日差しを通して床に色々な文様が見えてきたりするといった、1つの現象としての建築を目指している。

−ドバイ万博日本館に参加するにあたっての意気込みは?

森永

今、ファッションはすごく変わってきている。特に日本では、テクノロジーや面白い素材や色素が出てきているので、イノベーティブなことにチャレンジしたい。デザインに伴うビジョンや洋服の概念など、形として残るものではないビジョンを描きたい。

永山

日本のパビリオンには、日本の文化を象徴する日本らしさが求められると思う。今回もある意味では日本らしさが必要だが、角度を変えたら日本らしさが変わって見えたりとか、今までの日本らしさをひっくり返すようなことをしたい。

齋藤

日本は課題先進国として、これまで当たってきた事象にどう対応したか、どう復興したか、デザインでどう解決したかを世界に共有するべきだと考えている。デザインの奥にある技術やノウハウを世界の人が持って帰れたらいいと思う。

−日本館としてデザインを大事に扱おうと考えている中で、関係者に期待することは?

いろんな日本の才能を発信する場にしないといけないということは、強く意識している。デザイナーが、コンセプチュアルに考えて、それを形にすることに感銘を受けているので、それを見せていく場をどこまで作っていけるかが非常に大事だと思っている。

−万博への参加を通して残したいものや試したいものはあるか?

森永

パリコレクションなどではファッションは消費されるもので、それはずっと変わらないと思うが、サステナブルな考えがファッションでも出てきている中で、次の世代にどう残していくかを考えないといけないタイミングだと思っている。サステナブルとデザインを結び付けられるようなやり方を残せたら有益だと思う。

永山

中東という遠く離れた場所で、どう制御しながら建築を作るかということが、かなりチャレンジング。もう一つは、ずっと傍にいて説明できるわけではないので、建物のコンセプトがわかりやすくて、みんなが共感できるように、建築そのもので示せないといけない。

2025年に日本での万博開催が決まっているので、いかに2025年に繋げるか。もう1つは、万博好きコミュニティを大きくしたい、ファンを増やしたい。コアな万博ファンを増やすことが、2025年にも繋がるし、万博という場を豊かにすると思う。

齋藤

2020年ドバイ博、日本館について、日本国内でももっと知って欲しい。ミラノのときも、そういう心意気でやったが、あまり日本では報道されなかった。今回は、2025年もあるし、クリエイターのトップの方が携わっていただくということもあるので、日本でも話題にしていただいて、ファンをどんどん増やしていければいいと思う。

  1. TOP
  2. 万博をもっとおもしろく!
  3. 「デザイン」から万博を考える

このサイトは機能改善のためにCookieを利用します。 詳細はこちら